『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の感想(ネタバレ有り)
本日、読み終えました。
自分のために感想を書き留めておこうと思います。
本の内容
あらすじ
著者は、リリー・フランキーさん。
舞台は著者の出身地である福岡およびその周辺と、東京が舞台になります。
著者の子ども時代~40代までの、オカンとボクを中心とした家族の話です。
家庭の事情については、
3歳までオトンの実家でオカン、ボクとオトンでそろって暮らします。
その後、諸事情によりオトンと離れ、オカンと2人で住居を転々とする生活が続きます。
高校に進学するタイミングで親元を離れ、30歳でオカンと再び同居することになります。
読みやすい文体
堅苦しい表現が無く、日記を読んでいる感じでした。
そのため、容易に情景を想像でき、感情移入しやすいです。
登場人物が亡くなるシーンが何度かあるのですが、泣けます。
(記事を書くために何度か読み直したのですが、毎回泣けました。)
常に漂う死の気配
幼いころから住処を転々としたこともあり、いろいろな人と出会います。
出会いの数だけ、別れがあります。
それには、死別も含まれます。
この本では、母方の祖母、そしてオカンの死について書かれています。
感想
自分が後悔しない生き方とは?
母方の祖母とボクの関係から、後悔しないように生きているかを考えさせられました。
母方の祖母とボクの関係を簡単に説明すると、
ボクが小学生の時に一緒に暮らし、
中学生なると離れ、たまに会っていた。
会うたびに、祖母が年老いていく。
高校生になると全く会わず、次に会うのが祖母が危篤になった時。
その頃のボクは、やりたいことも無く、仕事もせず、人に金を借りて生活をしている堕落した生活を送っていた。
そんな時に、危篤の祖母を見て「何もしてあげられなかった」と泣いてしまう。
人は誰しも、やる気が出ない時や頑張れない時がある。
もちろん、さぼったりすること自体が悪いことでは無いです。
ただ、時は刻一刻と過ぎ、大切なものが失われていく。
自分の中で、
何が1番大切なのか?
今 1番優先するべきことは何なのか?
常に考えながら生きなければならない。
(本に書かれていないので想像だが、)ボクがそのように決意したように、自分も生きていかなければならないと思いました。
亡くなってから気づくこと
死期が迫った時、または亡くなった後でしか気づけなかったであろう、
その人とやりたかったこと、してあげられなかったこと。
考えたことも無かったけど、読んで気づけました。
けれども、その全てをすることはお金や時間の問題で不可能だということも。
その時に、
全てできないから中途半端でも良いと思うのか、
できないからこそできる範囲でやるのか。
自分は、どちらの選択をするのかを考える必要がある。
そして、考える時間があることを理解できました。
大切な人を大切に扱うことの難しさ
母方の祖母の出来事から、ボクはオカンとの時間を大切にするようになります。
その1つとして、オカンを東京に呼んで一緒に生活を始めます。
大した仕事が無く、ボクだけでも生活が苦しい状況であったにも関わらず。
この行動力に驚きました。
自分なら、後悔せずに生きていくと決めても、生活が不安定なら決意が揺らぎます。
しかし、著者は揺らぎませんでした。
さらに、一緒にいる時間を確保するために仕事とも折り合いをつけていたようです。
明日の生活が厳しくても、決意のもとに生きていくことの尊さが知れましたし、
見習わなければならないと思いました。
まとめ
ぜひ、1度は読んでほしいと思います。
誰しもが経験したことのある話、これから経験するであろう話。
その時までに自分にできることは何か?を考えるきっかけが作れます。
読むのが辛い、時間が無い人は映像作品もあるのでそちらをどうぞ。
評判を見ると映像でも悪くないようです。
もっと早くに読んでおきたかったな。。
おわり。